医学生のための資産形成入門 基礎知識編 ⑯iDeCoが普及しない理由

医学生のための資産形成入門

 インデックス医です。

 前回の積立NISAに引き続き、今回はiDeCoについてです。

 iDeCoの特徴は以下です。

 ・積立NISAと同様、運用益は非課税
 ・掛け金は職業による変化する
 ・掛け金は全て所得控除になる
 ・60歳まで引き出しできない
 ・引き出しの時には税金が掛かる
 ・手続きが煩雑

 iDeCoは積立NISA以上に年金としての意味合いが強い制度です。

 積立NISAと同じく、運用で得た利益は全て非課税になります。

 掛け金は、職業による異なり以下のようなイメージです。

 自営業、フリーランス→ 6.8万/月
 会社員       → 2.3万/月
 公務員       → 1.2万/月

 フリーランスであれば、年間81.6万円分の所得控除が得られるという点では、非常にインパクトの大きい節税手法になります。

 投資、節税両方の側面でメリットの大きいiDeCoですが、一つ非常に大きなデメリットがあります。

 それは、60歳までは何があっても引き出しが出来ないことです。

 途中でやめたくなってもやめることが出来ず、資金拘束されるというのは人によってはそれだけでやらない理由になるでしょう。

 資金拘束されている間に、制度が改悪される可能性ももちろんあるので、そういった意味では、100%おすすめできるものとは言えません。

 引き出しの時には、退職金もしくは年金、またはその両方として受け取る形になります。このとき、通常の退職金や年金と同様に税金がかかってきます。

 ですので、50歳ごろにはどのような出口戦略を取るか考える必要があります

 最後に、iDeCoが普及しない一つの要因として手続きが煩雑なことが挙げられます。

 証券会社で申し込むところまでは良いのですが、それが行政の方に連絡され、承認、そして申込み書類が届くまでに1ヶ月以上かかります。

 さらに、届いた書類を自分の務める会社や病院の事務に記入してもらう書類もあります。

 その書類を再度郵送で提出、承認されるまでにこれまた1ヶ月以上時間がかかります。

 書類に不備があれば、同じ時間をかけてやり直しです。

 私はiDeCoに申し込んでから開始するまでに3ヶ月以上かかりました。もちろん書類の不備等はなくて、です。

 実は職場が変わるたびに移行手続きも必要にもなります。

 iDeCoはうまく使えばメリットの多い制度だと思うのですが、こういった面倒な部分を乗り越える必要があると投資に興味のない人はますます離れていってしまうので、もう少し簡単に始められるようにしてほしいものです。

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