インデックス医です。
今日は、ハイパー・ハイポ論争についてです。
SNSでも定期的に話題になりますが、その中でもハイポかつ高給、これが一番コスパが良いのかという話です。
まず、ハイパー・ハイポそれぞれの意味合いですが、特に厳密な定義はありません。誰が言い出しかもよく分かりません。
ただ一般的には、ハイパーというのは、すごく忙しく働くというような意味合いで使われることが多いです。ハイポはその逆です。
医師の働き方として、24時間365日オンコール、日中も外来や手術、病棟管理でばたばた働いている人は確実にハイパーと言われるでしょう。
当たり前ですが、たくさん働けば給与は高くなります。医師の中でもハイパーな人がより給与が高い、これは当然のことです。
ただし、それは同じ病院の同じ診療科に限った話です。
医療の世界は少し歪みがあり、ハイポな働き方でも、給与が高いところもあるのです。需要と供給のバランスが崩れていればそうなりやすいです。
地方の中でもさらに僻地・離島にあるような病院であれば、母数が少ないため、患者数は限られます。しかし、地域自治体としてはそこの住民を見殺しにするわけには行かないんので、やはり一定数の医師は必要になります。
しかし、その地域の出身でもない限り、僻地に行きたい医師がそう簡単に見つかるわけもなく、結果として高い給与で募集をかけることになるのです。
医学生が一番気になるであろう、初期研修先の病院はまた異なった要因で、給与が決定されます。
臨床研修医のいる病院には、国から一定の補助金と、一部診療報酬点数の付加があります。
さらに、国だけでなく、都道府県や地域からの補助金が出ることもあり、この補助金の有無、そしてそれをどこまで研修医の給与に反映するかで、研修医の給与には大きな差が生まれます。
そして、給与の高さと研修自体のハイパー・ハイポとは関係ありません。
ですので、研修病院を探す場合はそこを分けて考える必要があります。
あの病院は忙しいらしいから給与も高い、とはならないということです。ネットに掲載されている給与などが今も正しいかはわからないので、実際に見学に行き、研修の忙しさ、給与の両方を実際に働いている研修医に聞くのが確実です。
ハイポ高給取り、というのは言葉だけみると、楽にお金を稼げるように思えますし、一定の時期までは実際そうでしょう。
しかし、医師としてのスキルや経験値が全く稼げないような病院はあまりおすすめできません。どの分野でも言えることですが、若いうちに一定の負荷をかけ、スキルを磨いておくほうが将来的な給与の増加、就職先の確保が楽になります。
もちろんハイポな病院でもスキルが磨けないとは限りませんが、ハイポ高給かつスキルも磨ける病院を見つけること自体がまた大変です。
医師として少し特殊なスキルを手にすれば、年収は2000〜3000万くらいならそう難しくはないです。スキルなしでも1000〜2000はいきますが。
ここまで読んで、それでもハイポ高給が最強だと思う人には、たぶんそれが正解です。
私も医師免許を若いうちの金稼ぎのツールとして使う分にはそれが良いと思います。ただし、生涯医師として働く可能性があるなら、どこかで自分に負荷をかけるフェーズがあるのが望ましい、そのほうが医師としての満足度が高いとも思っています。
気づいていないだけで、医師過剰の時代はすでにあちこちで来ています。
自分がそれに直面した時にどうなっていたいか、考えておくと良いかもしれません。
要は自分の人生の中で医師免許をどう使うかです。
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