インデックス医です。
初期研修1年目の方は、入職から約1ヶ月半ですね。そろそろ、業務に慣れてきた頃でしょうか。
まだ初期研修は始まったばかりですが、初期研修終了後の進路については早いうちから意識しておくと良いです。
初期研修のマッチングと同じで情報収集を早くから始めることで、周りより早く行動に移せます。
私自身は、臨床医としての進路はある程度イメージした状態で初期研修を開始したのですが、産業医やその他の臨床医以外についてはノーマークでした。
初期研修をしながら少しずつ情報を収集していると、初期研修のうちから出来ること(資格取得など)が思ったより多く、もっと早くから動いていればよかったなと少し後悔しています。
本日は、私が思いつく限りの初期臨床研修の後の進路を列挙していきます。
私の記憶から書いており、現在時点で最新情報とも限らないので、興味があるものはしらべてみてください。
やはり多いのは後期研修
やはり最も多い進路としては、後期研修ですね。
3−5年かけて専門医を取る、その延長でサブスペシャリティ、指導医などを取っていく。というのが、いわゆる医者の王道ルートとだれもが考えていると思います。
多くの場合、特に地方であれば医局に所属することが必須になり、その良し悪しはあちこちで議論されているので、あえて言及はしません。
後期研修も、診療科や病院によって働き方は全く異なります。新専門医制度の基本領域は20個弱と非常に沢山の選択肢があるとも言えますので、一つくらいは自分に合う科があるはずですが、それを見つけるのもまた一苦労なのも事実です。
転職が普通になりつつあるこの時代、医師も転科を躊躇しすぎる必要はないとは思うのですが、あまり一般的ではないですね。個人的には2つ、3つと専門を持っても全く損にはならないと思うのですが、、
後期研修にのらない臨床医
このパターンで多いのは、フリーランスとして何箇所かでの非常勤、スポットでの働き方をする方々でしょうか。
後期研修があまり合わず、フリーになったり、FIREなど目標があって初期研修終了後からフリーになる人がいたりと、様々な理由でこのような働き方をしている一がいます。
また、専門医という資格にあまり魅力を感じず、専門医に固執せずに働きたいところで働く医師もここに入りますね。
一般的には医師という職業は、非常勤として働くほうが時間単価は良い場合が多いので、フリーランスとして働く方は、ある程度自分の労働時間をコントロールしながら、働くことが出来るのは確かです。
ただ、その労働形態から、いつその職場で働けるかという点に関してはやや不透明ではあります。
また、明らかに業界としてのバグである、常勤より非常勤のほうが時間単価が高い状態がこのまま続くかは誰にもわかりません。
そういった不安材料を勘案しながら自分で働き方を選択する必要はあるでしょう。
自由診療
美容皮膚科、美容外科といった、自由診療をメインとしたクリニックは人気を集めていますね。
というのも若いうちから給与が高い、仕事が楽そう、このイメージが先行しているからでしょう。
自由診療なので、初期研修を終えていなくても働くことは出来ます。
もっとも、保険としてなのか、初期研修を終えてから進む人が多い印象ではあります。
あまりこの分野に詳しくはないのですが、本気で美容外科、美容皮膚科を志している人ももちろんおり、楽で稼げそうだから、という理由だけで参入するのは、後々淘汰される可能性を考えておく必要はあるかもしれません。
また、普通の臨床医とは違って、営業力がかなり大きな割合を占める分野です。コミュニケーション能力やマーケティング力など力を入れるべき部分が違うというのも一つのポイントです。
基礎研究
この道に進むのは、ごく一部の方だとは思いますが、医学の発展のためには人が増えてほしい分野ですね。
ただ、経済的な側面から見ると、給与は臨床医より低い傾向にあります。
当直などのアルバイトをそれなりにうえの先生でもやっているというのもよく聞きます。
個人的には、FIREを達成した後にこの分野に進むというのが、経済的には無難な気がします。
公務員(医系技官、防衛医官、他)
公務員として、行政的な仕事に就くというのも選択肢の一つです。
安定した給与があり、大きな視点で国民の健康に寄与するという意味では、満足度が高いのかなと思います。
具体的には、医系技官、防衛医官、監察医、公衆衛生医師など様々なあります。
臨床医として生涯で診れる患者数と、日本全体の健康を守るためのルール、仕組み作りによって影響を与えられる人数はどちらが多いかは明白です。
ただ、患者さんから直接感謝されることは臨床医のほうが多いと思うので、どちらが良いとは一概には言えませんね。
医系技官などはいわゆる官僚として出世するために、様々な省庁での経験なども必要になるとのことです。
いわゆる臨床医とは全く異なった働き方になるので、その辺りは自身の性格と併せて検討する必要はありそうです。
医師として企業に就職する(産業医、査定医、製薬会社)
臨床医以外の進路として、割と身近なイメージにあるのが産業医でしょうか。
国家試験で公衆衛生の分野として産業医の選任義務の話など、産業医の仕事に触れる機会があるからというのはあるかもしれません。
この産業医になる方法はいくつかあり、一つは産業医科大学を卒業すること、そしてもう一つは必要な単位を取ることです。
専門医の取得とイメージは近く、日本各地で行われる講習会等に参加して単位を集めることで産業医として働くことが出来るようになります。
そして、一度資格取得してからは、5年に一度の更新が必要となります。
産業医は一般企業と契約し、そこで働く人の安全・衛生を管理することが責務です。1−2ヶ月に一度巡視すればいいんでしょ?と思っている人もいるかも知れませんが、実際にはそんな楽な仕事ではありません。
その企業の業種によって働き方が全く違うために、どんな安全対策、衛生対策を施すかを考える必要があり、かなり専門性が高い分野と言えます。
軽い気持ちで参入したとして、職場での事故や健康被害などに対する責任を問われる可能性があることは知っておきましょう。
それでも、臨床医として病院での働き方が合わないという人が、医師免許を活かして働くという意味ではアリな選択肢だと思います。
その他には、保険会社で保険に加入する人の健康を審査する査定医
新薬の開発や薬剤の市販後調査など製薬会社でメディカルドクターとして働くなど、一般企業との契約・就職というのもたくさん選択肢はあります。
医師免許を使わない働き方
医師免許関係なく、一般企業に就職する、企業を立ち上げるなどももちろん可能です。
医学部卒業後、初期臨床研修医卒業後に自分のやりたいことをやる、というのも悪くないと思います。
医師を養成するために医学部では多大な税金が使われているから、医師として働くのが責任じゃないのか、みたいな議論が時々なされますが、実はしっかり計算してみると他学部と医学部で学生のために使われている税金にそこまで大きな差はありません。
ですので、そこは気にしなくていいです。やりたいことをやりましょう。
自分の力で稼ぎたい、医師の給与では満足できない、一度医療から離れて視野を広げたい、など理由なんてなんでもいいと思います。
現在の日本では、医師免許があれば少なくとも生活に困らない程度の収入を得ることはそう難しくありません。ビジネスをやってみて、失敗したら、また医師として働く。そんな働き方も楽しそうです。
まとめ
いろいろ書いてきましたが、やはり今一番多いのは後期研修に進む、という選択ですね。QOL,QOMLを重視する傾向は全体的に進んでおり、自由を得るための選択として自由診療、フリーランスなどが増えてきているのも確かです。
最初に選んだ道から生涯外れることができない、なんてことは今の時代ありません。ただ、いざというときに選択肢が思い浮かばなければ、選ぶことも出来ません。
私の主観で書いているだけの記事なので、参考になる部分は少ないと思いますが、この記事をきっかけに進路を考える人がいると書いた甲斐があります。コメントお待ちしてます。
他にもこんな進路がある、というのをご存知の方もコメント、TwitterのDM、なんでもいいので教えてもらえるとありがたいです。
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